今年のOKシードプロジェクトの分科会のテーマは・・・
「たねのローカリゼーション 〜ゆるやかに繋がる未来会議」!
当日の分科会でみなさんをナビゲートする、富士山麓有機農家シードバンクの「Seedおじさん」がたねまきコラムに久しぶりに登場です◎
こんにちは、たねの星からきたSeedおじさんです。
最近「ローカリゼーション」という言葉を耳にしたことはありませんか?
国境を越えた人、モノ、お金、情報、文化などの交流が活発になり、世界が一体化していく現象を「グローバリゼーション」と呼びますが、「ローカリゼーション」とはこれとは逆に、地域性や地域のなかでの繋がりを重視するあり方です。
昨今はグローバリゼーションの流れが強く行きすぎてしまっているように感じますし、私たちの命を掌るたねも、その波に呑み込まれつつあるように感じます。それゆえ、遺伝子を操作する技術や特許などが加速し、豊かな多様性をも喪失してしまう方向に生き急いでいるかのようです。
この流れのままに身を任せると、私たちの未来は持続不可能な結末を招くのではないのでしょうか。
OKシードプロジェクトは、ゲノム編集技術を用いて遺伝子を操作された農産物や種子、生物や食品に表示を求める為に立ち上げられました。
表示義務が無く、企業の利権を伴う遺伝子操作されたたねが、知らず知らずのうちに私たちの生活に浸透して社会実装されようとする中で、その事にNoを表明することはもちろん大切です。
また、そのようなたねが、栽培環境だけでなく、自然界にも入り込むことは、たね自身にとっても、非常に不安な状況を招くことに繋がります。
つまり、意図しない交雑が起きたり、利権を伴うDNAが入り込むことにより、たねの自由は奪い取られてしまいます。私たち命の根源のたねの自由が無くなれば、私たちの命の自由も無くなるということにつながっていきます。
OKシードプロジェクトとしては、表示義務を求めつつ、たねの自由も守ることが大切であると考えます。 日本の各地域に存在する在来種や固定種、名もなきたね、おばあちゃんが繋いでいるたね、など ローカルなたねを大切に守ることで、遺伝的多様性は豊かになり、ゲノム編集のような人為的遺伝子操作を行うことなく、たねから持続可能な未来を実現することができるのではないかと考えます。これが、たねを切り口としたローカリゼーション、「たねのローカリゼーション」です。
世界各地で、ローカリゼーションというムーブメントは盛んになってきているのですが、日本ではそのひとつとして「ローカリゼーションデイ日本」というイベントが毎年開催されています。今年は6/8(日)に開催が予定されており、OKシードプロジェクトもこのイベントに、「たねのローカリゼーション」をテーマに参加します。以下が予定されている内容です。
◆ローカリゼーションデイ日本2025特設サイト
https://peraichi.com/landing_pages/view/localizationdayjapan2025
昨年、カリフォルニア在住の植物学者Kana Koa Weaverさんが、Seed Library Networkと協力して、日本のたねの活動拠点のマップを完成させました。
◆Seed Library Network
https://www.seedlibrarynetwork.org/explore-the-map.html
分科会では、昨年このたねのローカルシード・ネットワークに登録していただいた方を中心に繋がりあい、「ゆるやかに手を取り合って進んでゆく」ことをコンセプトにした、たねの未来会議を行うことを企画しています。
併せて、昨年のローカリゼーションデイの希望のキャラバンに同行した「希望のたねBOX・たねの行進」からたねをシェアしていただいた方々にも参加を呼びかけます。
たねはすべての繋がりの中にあって、企業と利権のためのものではない未来を目指します。
私たちが自ら食べるものと農業システムをコントロールする権利を持つべきだという考え方を 「食糧主権」と言いますね。
食糧の大半はたねが担っています。グローバル企業に依存せずに農家が主体的に品種を選択する、農家による自主的な在来品種保存による伝統的な食文化の保全などを「種子主権」と言います。
要約すると、食べるものを選ぶのは私たちの自由「食料主権」=たねの自由「種子主権」と言えるのではないのでしょうか。
Seedおじさん的には、たねは自らの意志を持ち、あらゆる生き物と共存し、私たちの文明をも支えてきた知的生物であり、たねの存在と自由を犯すことはできないと考えます。
この種子主権無しには食糧主権は存在できませんので、イベントの前半では、OKシードプロジェクト事務局長の印鑰智哉(いんやくともや)さんに「種子主権」とは何なのか?をお話ししていただく予定にしております。
その後、全国の点と点(たねとたね)を線(根っこ)で結び、ゆるやかな繋がりの中で、グローバリゼーション(企業のたね)にはできない、地域性・多様性豊かな未来を目指すためのクロストークなどを行います。
今回のイベントをきっかけに、ローカルなたねの拠点が増えて、遺伝子操作と利権を伴う企業のたねの必要性の無い、調和のとれた真の持続可能な未来へ繋がっていくことを願っています。
富士山麓有機農家シードバンク Seedおじさん
ローカリゼーションデイ2025 \さあ、足元にあるローカル運動とつながろう!/
ローカリゼーションとは、人々のつながりと多様性という土台の上で繁栄する、わたしたちの「新しい物語」です。共に食べ物を地域で育てて食べる。子どもたちをつながりの中で育てる。一人ひとりと私たちを育んでくれる自然を大切にする。お金が地域でまわり、安定的雇用を生み出し、みんなが誇りに思える地域経済。そのような、人も自然も再生(Regenerative)していく暮らしと社会のあり方を模索する世界的なムーブメントです。
世界のローカリゼーション運動をネットワークする国際組織ローカル・フューチャーズは、「グローバルからローカルへ」を合言葉に点から線へ、線から面へとつなぐようなローカル運動を呼びかけ、6月の夏至を中心とした1ヶ月間、英語をベースとしたさまざまなオンラインプログラムを準備しています。
日本でも、辻信一さん呼びかけのもと、日本語での「ローカリゼーションデイ」を6月8日(日)オンラインで開催することになりました!
今年もオンライン上で地域を超えて集いましょう。地域ごとの実践に学び合い、課題を共有し、ローカルな未来に向けての出会いをお祝いしましょう!
日時:2025年6月8日(日)10:00-18:00
オンライン(zoom)開催
◆参加申し込みはコチラ
https://peatix.com/event/4400558
OKシードプロジェクト主催分科会 「たねのローカリゼーション 〜ゆるやかに繋がる未来会議」
OKシードプロジェクトが主催する今年の分科会のテーマは・・・
「たねのローカリゼーション 〜ゆるやかに繋がる未来会議」!
OKシードプロジェクトは、「ゲノム編集」技術を用いて遺伝子を操作された農産物や種子、生物や食品に表示を求める為に2021年に始動しました。農家や消費者の知る権利を守りたい、自分の作るもの、食べるものは選べるようにしたい、そう考える農家や市民が協力しあいながら立ち上げた共同プロジェクトです。
全国各地に存在する在来種や固定種など「ローカルなたね」を守ることで、遺伝的多様性が豊かになり、「ゲノム編集」のような人為的遺伝子操作を行うことなく、タネから持続可能な未来を実現することができます。
今年のローカリゼーションデイでは、種子主権=たねの自由=私たちの自由って?「たねのローカリゼーション」とは?そんなことを問いかけながら、日本中のたねと人、人と人、タネとタネとがゆるやかに繋がる時間になりそうです。
当日は、OKシードプロジェクト事務局長の印鑰智哉、植物学者のKanaさん、そして富士山麓有機農家シードバンク代表の「Seedおじさん」こと鈴木一正さんが、たねの未来を語りながらたねの星へご案内します。
分科会1 (11:00-12:15)
たねのローカリゼーション〜ゆるやかに繋がる未来会議
トーク:印鑰智哉(OKシードプロジェクト事務局長)、Kana Koa Weaver(Seed from Earth)、Seedおじさん(富士山麓有機農家シードバンク)
企画:OKシードプロジェクト
◆詳細はコチラ
https://peraichi.com/landing_pages/view/localizationdayjapan2025
❖登壇者プロフィール
◆印鑰 智哉(いんやく ともや)
アジア太平洋資料センター(PARC)、ブラジル社会経済分析研究所(IBASE)、Greenpeace、オルター・トレード・ジャパン政策室室長を経て、現在はOKシードプロジェクト事務局長。2022年から食からの情報民主化プロジェクトを構想・実行中。 ドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』(2015年)、ドキュメンタリー映画『種子ーみんなのもの? それとも企業の所有物?』(2018年)いずれも日本語版企画・監訳。共著で『抵抗と創造のアマゾン-持続的な開発と民衆の運動』(現代企画室刊、2017年)で「アグロエコロジーがアマゾンを救う」、『イミダス 現代の視点2021』(集英社2020)で「種子法廃止に続いて「種苗法改定」で、農家に打撃!?」、『命を守る食卓』(宝島社2024)を執筆。その他、『世界』(岩波書店)などで記事を執筆
◆Koa Weaver 佳奈 (ウィーバー佳奈)
植物学者、ハーブ研究家。一児の母。
世界を旅しながら、各地の植物の美しさ、種の多様性、植物にまつわる文化の多様性を次世代に手渡す方法について探究。
東京大学大学院修士、オランダエラスムス大学社会科学研究所修士。カリフォルニア大学サンタクルーズ校環境学博士課程単位取得退学。国際民俗生物学会所属。2024年より米国のSeed Library Networkと協力して日本国内のシードバンク・シードライブラリーマップ作成開始。
現在は米国カリフォルニア州バークレーで、パートナー(映画「EDIBLE CITY エディブル・シティ〜都市を耕す」に登場)と8歳の息子と植物たちと暮らす。好きな食べ物はパイナップルグァバ。
◆富士山麓有機農家シードバンク 鈴木一正 (Seedおじさん)
在来種や地域のたねを未来へ繋ぎ、たねから持続可能な地域づくりを目指して活動中。 静岡県富士宮市のSeedCafeに拠点を置き、たねを繋ぐシードバンクの畑と棚田、学校を拠点とし たシードバンク構想、オーガニック給食への取り組みなどの活動を通じて命の根源であるたねの 大切さを伝える。 富士山麓有機農業推進協議会会員、NPO法人しずおかオーガニックウェブ理事、富士宮学校給食 を考える会会員、「土のうえ空のした」実行委員、OKシードプロジェクト運営委員。
《関連イベント》 映画「クローサー・トゥー・ホーム」上映+ゲストトーク
6月6日開催の、映画「クローサー・トゥー・ホーム」上映+ゲストトーク では、国際ジャーナリストの堤未果さん、環境アクティビストの辻信一さんと一緒に、OKシードプロジェクト事務局長の印鑰智哉が登場します!
今なぜローカリゼーションなのか、ぜひ参加して一緒に考えてみませんか?
◆詳細・チケットの申し込みはこちらから!
https://0606closertohome.peatix.com/
私たちの活動はすべて、みなさんからのご支援で成り立っています。 今後もさらにゲノム編集されていない地域のタネを守り、農家も消費者も知る権利、選ぶ権利と私たちの食を守ることができるよう活動を広げていくためにもぜひご支援をよろしくお願いいたします。
◆ご支援をお願いします