みなさんは、日本が野菜のタネなどは9割を海外からの輸入に頼っているということをご存じでしょうか?
どんな農業をやっていくのか、それはどんなタネをどうやって作るかにかかっています。2017年に主要農作物種子法が廃止され、2020年に種苗法が改正されました。それは日本のタネにどのような影響を与えたでしょう?
日本の種苗政策を辿っていくと、1998年が大きな転機となっているのがわかります。この年に日本は民間企業が作り出したタネのグローバリゼーションのためのルールと言えるUPOV条約を批准し、それまで農産種苗法と言われていた法律を種苗法と改名して、改定します。種子法廃止も種苗法改正もこの1998年から着々と進んできたタネのグローバリゼーション政策のプロセスの一つであることがわかります。
その後、20年以上かけて、日本国内でタネを作るのではなく、海外にタネの生産地を移し、稲やイモを除けば、日本はほとんど国内でタネを作れない国になってしまいました。国内でタネが作れないということはもし、海外からタネを輸入できなくなったら、日本は飢えるしかなくなってしまいます。地域のタネの企業の数も減り続けています。種子法廃止や種苗法改正は民間企業のため、として正当化されましたが、それは地域の種子会社にとっては残念ながら役立つものとはなっていないことがわかります。また、2001年時点ではまだ日本は世界第2位の新品種を作ることができる国でしたが、その後、他の国がどんどん新品種を作る数を伸ばしている中、日本だけは大幅にその力を減らす一方で、日本の地位は大幅に低くなっています。
日本は食料危機にもとても脆弱な国であることが国際的な研究でも指摘されています。そんな危機に陥らないようにするためには、以前のように国内でタネから食料が作れる状況にしなければならないはずです。今月、食料・農業・農村基本法が改正されましたが、しかし、この問題が再検討されることはありませんでした。
しかし、新品種を作る力が弱くなっていることには政府にも懸念があり、それを強化しようとしています。でもその方法とは国や地方自治体と民間企業を一体化させてゲノム編集などを使って効率的に新品種を作っていこうという方向なのです。このままだと日本はゲノム編集などの種苗ばかりになっていく可能性があります。
問題はそれだけに留まらず、日本に大きな悪影響を及ぼしたその当のUPOV条約を日本政府はアジア各国にも批准を求め、各国の種苗法改正も求めているのです。一体日本政府は何のためにこんなことをしているのでしょうか?
この方向をどうすれば変えられるでしょうか?
このあまりにおかしな日本の種苗政策の問題点をUPOV条約との関係に中心を置きながら、事務局長の印鑰智哉が36ページの記事にまとめました。
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https://bit.ly/nihontoupov