たねまきコラム:旅する「たねBOX」ー種まくキャラバンマーケット・九州編

お知らせ
「たねの行進」のたねBOXは、今年の3月に「明日に向かって種をまく”種まくキャラバンマーケット”~語り売り放浪編~」の九州巡業にまるっと1か月間同行し、大分・熊本へ旅をしていました。
「種まくキャラバンマーケット」は、富山県南砺市で活動するLifestyle shop Honey & Cottonさんが発起人となり、農や食、物作り、芸といった体験を通して、自然と、人と、共に生きることの価値を再発見し、明日に繋げていきたい―そんな思いで始まった移動型のマーケットです。
農とは何か。 芸とは何か。 今の時代を生きるための活力とは何か? 農と芸の新たなる可能性と出会いを求め、各地で種まく人との出会いを求め、日本各地を旅しています。今回のたねまきコラムでは、この「たねの旅」の様子を、熊本県の「toko-tokoたねのゆりかごプロジェクト」の國本聡子さんがレポートしてくださいました!

 

たねまきコラム:旅する「たねBOX」「種まくキャラバンマーケット」九州編 / 國本聡子(OKシードプロジェクト運営委員)

OKシードマークのタネを増やす活動をしているtoko-tokoたねのゆりかごプロジェクトから、2025年3月1日~3月29日の報告。

富山を拠点に活動するhoney&cottonの出店「種まくキャラバンマーケット」九州編と一緒に、3月初めから末まで熊本・大分を行きつ、戻りつの1か月。

■3月1日(土):地域のお座敷交流館 アトエバー Hana(熊本県熊本市) 種まくキャラバンマーケット「ハムレット朗読会と種の駅・アトリエバーHana交流会」

 子ども劇場の活動をしている方たちとの交流を目的にした体験企画。参加者は日頃、食の安全や環境問題にも関心を持って活動している方が多く、自然栽培や蜂蜜の残留農薬検査などにも興味を持って開催されました。劇の台本・台詞を輪読する朗読会という参加体験で汗をかいた後、ミツロウクリーム製作や蜂蜜の味比べなどのワークショップ。グラスを片手にした参加者間での交流タイムでは、情報交換で話しにHanaが咲きました。

 種の駅・OKシードたねBOXを囲んで、農業について昨年のできや作柄、これまで以上に苦労した話しで盛り上がり、農家の人だけでなく、農家じゃないけど自分で食べものを育てたいと話す方が多かった。この夜のためにHanaでは初の特製プレートを提供。多品目栽培の畑のような、たくさんの食材素材を活かした一皿を味わう交流会で終幕した夜でした。

 

■3月2日(日):グリーンコープ長嶺店カフェスペース(熊本県熊本市) toko-tokoたねのゆりかごプロジェクトと種まくキャラバンマーケットのコラボで「一人から出来るエコライフ~ミツロウワークショップと蜜蜂の話し~/種の駅」

 toko-tokoが長く利用している生協、グリーンコープのお店では、ネオニコフリーの野菜やお米がたくさん販売されています。店舗の一角には、組合員企画のイベントもできるカフェスペースがあり、ときどき、企画イベントで利用しています。

 今回は、ミツロウラップ・クリーム・キャンドルなどを製作しながら、農薬を使わない自然栽培米の田んぼと養蜂、物づくりの活動についてのはなしと、5月から9月までに採蜜された蜂蜜の風味の変化を味わって、日ごと・季節の花が移り変わる自然を感じる体験する会でした。

 ミツロウクリーム製作で参加したお子さんが、チラシに載せた「等価交換」の案内から手作りキーホルダーを持参してくれました。お金とは違う価値の考え方を提案する種キャラとしてはとっても嬉しい等価交換。

 また、OKシードたねBOX「たねの行進」の説明には、いろいろな地域・提供者の名前で、多種類の種が入っていることに興味津々で見られていました。この日は、へちまの種を持ってこられてたくさん入れて戴きました。種の交換やシェアは、お金を使う購入やたんなるプレゼントとは違う活動参加の入り口。考えるきっかけ、種蒔きができたとしたら嬉しい。

 

■3月15日(土)・16日(日):「上色見プロジェクトと種まくキャラバンマーケット」(熊本県高森町) コラボ 上色見総合センター/阿蘇フォークスクール

 「上色見みんなの菜園」運営メンバー・参加者による企画運営で、3月15日は麹を使った無添加・乳フリーのスパイスカレーをみんなで作ろるカレーワークショップとお話会・種の駅

 地元野菜中心に食材は野菜だけの重ね蒸しでカレー作りと試食。続いて、自然と人、人と人の関わりを繋げる活動、「みんなの菜園」活動を広げるには、をテーマに語り合いました。種の持ち帰りから始めるシードシェア活動の紹介。

3月16日は「たべごしらえおままごと(石牟礼道子作)」朗読と即興パフォーマンスとミツロウワークショップ、種の交換会。環境問題に取り組む方や、新規就農で熊本県内で農業を始めた方や、種のことに興味を持って自家採種の種持参での参加も多く、「たねの行進」の紹介では熱心に話しを聞かれて質問もいただきました。フォークスクールの見学で来館された方にも声を掛けると「たねBOX」「OKシードプロジェクト」の活動に興味を持たれて、どんなタネがあるか、目的や仕組みなどいろいろ話しが広がりました。野菜やお米など、できれば自分でも育ててみたい、と思う人が広がっていると感じます。

 

■3月20日(木):「春分の日 餅つき&種の会」:大分県由布市古野

 地域の子ども行事「おせったい」の日に、石臼での餅つき体験交流会で餅を食べて、自分で採ったタネを持ち寄り語り合う種語りの会。合間でパフォーマンス”お座敷でハムレット”上演。

 took-tokoたねのゆりかごプロジェクトは、熊本と大分の菜園でOKシードマークのタネ採り活動を続けています。拠点の1つ、大分県由布市狭間町古野の近くで無農薬・無化学肥料で米や野菜の栽培をされている有機農家・深瀬さんと一緒に、種の交換会のついでに美味しい搗き立て餅を食べたいと、本格的石臼餅つき体験会を初企画。種まくキャラバンマーケットが富山から運んできた荷の中に、たまたま自然栽培の糯米「新大正モチ」玄米が入っていたことから、深瀬さんが育てられた無農薬・無肥料栽培の緑米の糯米と、それぞれにお餅にしたらどんな味かな?やってみるのもよいねと話しがまとまり、火起こし、石臼で餅つきを体験できるイベントにしました。

 この日は地域の「おせったい」の日。子どもたちが地域のお地蔵様(お大師様)をお参りして回り、お地蔵様(お大師様)をお守りする各家庭が準備したおやつ・お菓子をもらって歩く行事ですが、以前は大勢の子ども達が次々と訪れてきていたけれど、コロナ禍以降、すっかり消えかかっているようで、心にかかっていました。

 ポスティングした案内チラシを見た周辺の方が、子どもさんを連れてお参りがてら来られ、子ども達の声で久々賑やかでした。

 深瀬さんの繋がりでご一緒にタネの交換会の活動をされている大分大学の小山先生と学生さんも参加されての昔ながらの餅つきの体験。よもぎ餅に入れる蓬摘みも一緒にしたり、楽しんで身体を動かされていました。玄米もち二種は、品種の違いで、蒸したときから香りの違いに驚き、味も個性があり、種の多様性って大事だと実感できました。

 午後の種がたりは、ひとりずつ、だいじに繋いでいるいろいろなタネの由来や育て方、おいしさやどんな食べ方をするかなど、次々と話していたら時間がいくらあっても足りないほど。交換された種は、きっと新しい場所で大切に育てられ、根付いていくことと思います

 

 

■3月29日(土):「あたらしさとと種蒔くキャラバンマーケット」コラボイベント種の駅(熊本県玉名市)

 OKシードプロジェクトのたねBOXは3月23日に富士宮へ返却しましたが、toko-tokoはタネ達を連れ、3月29日に「あたらしさとと種蒔くキャラバンマーケット」コラボイベントで、種の駅に参加しました。

 農業体験などの受け入れ、地域の繋がりを大切に活動されている「あたらしさと」と種キャラとの企画イベントで、マーケットとパフォーマンスの一日。「種の駅」に仲良く並んだ種たちを挟んで、スーパーでは売られていない在来種のことや、ヘチマが食べられると聞いて興味を持つ人、家族連れの来場者も多く、どの種を育てようかと楽しそうに話す親子の会話もよく、出展関係者もちょい見に寄っての立ち話など弾みました。

 3月は種起こし・育苗の真っ最中で、イベント打ち合わせや告知など嵐のような1か月でしたが、振り返れば、タネの繋がりで100人以上の方と会って話したり、関わることができました。初企画で初めまして、の出会いがいっぱい。シェアしたタネたちが新しい地で実を結び、できれば次に手渡される日がきますように。

 OKシードプロジェクトのたねBOXが、「たねの行進」のいろいろな人の手でずっと続いていくように。
みなさんに、ぜひ、参加していただきたいと思います。

ご協力いただいたみなさまに、感謝

 

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