【たねまきコラム】新世界の中心でゲノム編集魚を問う「ちえの寄せ場」開催!ーいのちをめぐる対話のはじまり

よみきかせ絵本『おなかがいっぱいにならない ふぐ』がついに発売

「宮津∞麦のね宙ふねっとワーク(ムギフネ)」の井口NOCOさん作、ゲノム編集魚をテーマにした絵本『おなかがいっぱいにならない ふぐ』がついに発売されました! これを記念して、2026年1月24日に大阪・新世界にあるバー「のこされ島」で出版記念パーティー「ちえの寄せ場」が開催されました。

会場は満員御礼、オンラインでも全国からたくさんの方にご参加いただきました。お申し込みの際に、ほとんどの方がNOCOさんへの温かい応援メッセージを添えてくださり、とりまとめ役の事務局としてとても胸が熱くなりました。「ムギフネの不屈の闘いに、全国からの応援と連帯が集まったことが、改めて大きな希望に感じています。同時に、私たちOKシードプロジェクトという存在は、一人ひとりの小さな力を網の目のようにつなぐ役割を担っているのだと実感しました。食の危機に直面する今、この「つながりの力」が、今後さらに重要になっていくはずです。

会場となった「のこされ島」は、大阪新世界、通天閣の足下にあり、NOCOさんが初代「島主」を務めた思い入れの深い場所です。ここへ、宮津市を発信源として全国に拡がったゲノム編集魚問題に心を寄せる面々が集結しました。

記念講演:「サーモン・ピープル、トラフグ、そして私たち」

OKシードプロジェクト事務局長の印鑰智哉の記念講演では、本質的な問いが投げかけられました。地球上の生命(いのち)のわずか0.01%に過ぎない人間が、効率や利益のために、残り99.99%の生命体の運命を勝手に壊してよいはずがありません。人間の傲慢さによって「いのちの循環」を失いつつある今、私たちはどう生きるべきかを改めて考えさせられました。そして、この問いは、この後に登場するゲストのみなさんのお話とも響き合いました。
サーモンの恩恵を受けて生きてきたベーリング海やアラスカの地域の先住民族が、「魚の中に人がいる」=「命は一体である」と考えるように、今、世界では「自然にも人間と同様の権利を認める」法律(自然の権利)が広がりつつあります。こうした倫理観が欠けては、人や環境に大きな致命傷となることを、印鑰さんのお話から痛感しました。

ゲノム編集技術についての解説

続いて、河田昌東さん(遺伝子操作食品を考える中部の会代表)と天笠啓祐さん(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン共同代表)のお二人による解説。「掛け合い漫才」のような軽妙なトークで、専門的で難しい内容を分かりやすく伝えてくださいました。とくに河田さんが語られた「ゲノム編集と自然突然変異は同じではない」という重要な指摘は、この問題の核心です(この指摘の詳細については、OKシードプロジェクトの深掘りコラム「FUKA BOTTE」でもまとめています)。

メッセージ&クロストーク

オンラインからは、NPO法人 アニマルライツセンター代表の岡田千尋さんとナマケモノ倶楽部代表の辻信一さんからメッセージをいただきました。
岡田さんからは、アニマルウェルフェア(動物の福祉)という立場から、「人間の都合で動物の体を作り変えることが、動物をどれほど苦しめるか」というテーマでお話しいただき、日本のアニマルウェルフェア政策を転換していくことが喫緊の課題であることを痛感させられました。そして今、世界では流れが大きく変わってきているという状況のなかで、日本がゲノム編集魚の開発を世界に先駆けて進めていることは重大な問題であることも。

ナマケモノ倶楽部代表の辻信一さんからは、絵本の帯に大切なメッセージをいただいています。
ー「この絵本は現代の『沈黙の春』、NOCOさんは現代の”金子みすず”だ。ゲノム編集される生きものの身になって、経済とテクノロジーに支配された人間社会の狂気をあぶり出してくれる」
このメッセージの背景について、辻さんは語りかけてくださいました。今、私たちがまさに「現代の沈黙の春」の最中にいることについて、やさしい語り口で、しかし力強く、警鐘を鳴らされたのです。

そして後半のクロストークでは、弁護士の上林惠理子さん、コープ自然派の松尾由美さん、「のこされ島」二代目島主の中峯翔さん、ムギフネ共同代表の矢野めぐみさん、そしてOKシードプロジェクト事務局の私(橋本加奈子)が、NOCOさんへのメッセージを語りました。
それぞれの視点と言葉がつながり合い、会場はまさに「ちえの寄せ場」となりました。


その後、会場参加者による絵本の「読み聞かせリレー」を行いました。一人ひとりの声で想いが紡がれていくような読み聞かせが、胸に迫ります。動画でぜひ聞いてくださいね!

最後に、作者のNOCOさんと絵を担当された百姓画家の野田尚さんから、制作に込めた熱い想いが語られました。NOCOさんたちムギフネのメンバーはゲノム編集魚の問題において、常に「対話」の姿勢を大切にしてきました。市民の声に耳を傾けない行政や、SLAPP訴訟(威圧的訴訟)をちらつかせる書面をムギフネに送りつけてきたゲノム編集魚開発企業に対しても、粘り強く対話を求め続けています。お二人の話を聴きながら、この絵本に込められた想いとかなしみが、いつか必ず彼らの心にも届くことを強く願わずにはいられませんでした。

「いのち」をめぐる対話が、この一冊の絵本から始まることを心から嬉しく思います。
「三人寄れば文殊の知恵」。当日の熱気と感動を、ぜひ動画でも体験してください。みなさんも一緒に「ちえの寄せ場」へ集まりましょう!

そしてこの絵本を、近隣の図書館やぜひ周りの方々に拡げてくださいね!
(橋本加奈子:OKシードプロジェクト事務局)

◆イベント動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=Rh-WXncgrRo

 


【絵本の購入はこちらから】

よみきかせ絵本 『おなかがいっぱいにならない ふぐ』
さく:いぐち のこ え:のだ たかし

2021年 日本三景天橋立のある海のまち 京都府宮津市で、遺伝子操作ゲノム編集のトラフグがふるさと納税返礼品になりました。取り下げを求めて、草の根アクションを続けてきた 釣り船の船長 NOCOと、京都府綾部市の百姓画家 野田 尚が子ども達に伝えたい 小さな小さな いのちの物語。
津波で海に放り出されたふぐくんの見る夢は…?

《おなかがいっぱいにならない ふぐ』の購入はこちらから》

 

定価 1000円(税込)別途送料 200円〜
(初版限定 解説ブックレット付き!)
発行 ちえよせ書房

予約&通販はこちらから

タイトルとURLをコピーしました