たねまきコラム:印鑰智哉氏 徳島講演会報告

お知らせ
昨年2024年の11月30日、12月1日に印鑰智哉(OKシードプロジェクト事務局長)の講演会が徳島で開催されました。
たねまきコラム、今回は主催の食と農を守る会徳島の柴田憲德さんからのレポートをお届けします。

2024年の冬に徳島県で開催された、印鑰智哉さんの2つの講演会の報告をします。

2024年11月30日には徳島市内マリンホールで、12月1日には海陽町会場で「安心安全な食と農を選ぶために〜あきたこまちRとは何?〜」をテーマに、連続講演が開催されました。

当日は晴天に恵まれ、両会場共、多数の方に参加いただきました。

まずは、遺伝子組み換え、ゲノム編集の仕組みと問題点、経過などを詳しく解説。次に重イオンビーム放射線育種のテーマに入り、ガンマ線と重イオンビーム放射線の違い、あきたこまちRの作成経緯、問題点を説明いただきました。

「あきたこまちR」安全論の矛盾、従来のあきたこまちと「あきたこまちR」を品種群設定で『あきたこまち』としか表示しないことで消費者の選択する権利を剥奪していることが明らかにされました。鉱山の掘削残土によるカドミウム汚染対策に導入されようとしているカドミウムを吸収しにくい「あきたこまちR」は、しかしマンガンも吸収しにくいので、土壌によっては栽培時にマンガンを投与する必要性があり、また登録品種にかかる特許権への支払負担も増加が懸念されるそうです。

また、農水省は『あきたこまちR』を有機JAS認証でも認めさせようとしています。

徳島県においても、徳島バイオコミュニティ構想が進められていること、徳大発のベンチャー企業のセツロテックやグリラスがゲノム編集や中性子線育種研究を進めていることも明らかとされました。

食料主権の視点からも、農家が自家増殖し、栽培方法も自由に決定できる種子主権の必要性があります。種子法廃止に際し、種子条例制定運動による一定の内容が盛り込まれたものの、種子計画への県民、農家、消費者の参画が必須で、今後の課題であることをご指摘いただきました。

在来種をはじめとする、遺伝子組み換えやゲノム編集、重イオンビーム放射線育種されていない種子を守り、安全な農作物を提供できる制度を作ることの必要性をご教示いただきました。

消費者の食の選択の権利を守るためにも、遺伝子操作されていない種苗、農作物、加工品、料理にOKシードマーク表示や、オンライン署名:「わたしは『あきたこまちR』を食べたくありません!」を拡げていく意義があります。

会場では質疑もたくさんあり、時間オーバーするくらいで、参加者の関心の高さがわかりました。

海陽町オーガニックスと食と農を守る会徳島の会員交流会や、徳島が産んだ偉人・賀川豊彦記念館も訪問しました。ご案内いただいた地元のみなさま、ありがとうございました。

講演会で学んだ事を、徳島の地で活かしていきたいと思います。

食と農を守る会徳島    柴田憲德

 

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