今回の「Voice!」では、「ウナギ」をテーマに、小学校4年生のお子さんのお父さんにお話しを伺いました。
ー 絶滅危惧種というけれど、店頭にはウナギがたくさん売られていますよね。そして夏の土用が近づくと、ウナギ食べていいの?ダメなの?という話題が毎年出てきます。ちなみに私も同じ理由で、ウナギは食べません。
ー それは・・・夏休みの自由研究ですね!
ー絶滅危惧種のウナギを食べていいかどうかという疑問に、結論は出たんですか?
ー今年の秋に開催されるワシントン条約COP(締約国会議)では、ニホンウナギを含むすべてのウナギ属を規制対象にする方向で議論が進んでいるそうですね。
ところで、ウナギといえば「培養ウナギ」ってご存じですか?イスラエルの細胞培養魚肉を手がけるスタートアップ企業が、「培養ウナギ」で日本進出を狙っているそうです。
ーヨーロッパウナギやニホンウナギから採取した細胞を培養液に浸して増殖させ、塊に増殖して、実際のウナギに近い色や形、味付けを整えて完成させるという、この「培養ウナギ」。
食べてみたいと思いますか?
ー 「未来のため」、「サスティナブルだ」と大義名分を掲げて、ゲノム編集魚も日本で流通していますが、生物倫理的にも問題があることが指摘されています。このイスラエルの企業がなぜ「ウナギ」なのかというと、絶滅危惧種または絶滅寸前の魚種だけをターゲットにするという企業戦略なのだそうです。
ーこうしたフードテックは消費者に非常に見えにくいものになっていて、急速に技術が進むほど、消費者の不安は増すばかりですね。
人間社会にとって本質的な食。でもその食のあり方が急速に変えられてしまおうとしています。
本来、健康や環境、社会への影響を考えて慎重な検討が必要なのに、ほとんど市民が知らないうちにその変化が進んでしまいかねません。そこで、この間、進みつつある食の新しい技術がどんなものであるか、知るための基礎講座を開催します。
講師は事務局長の印鑰智哉が務めます!この問題をつぶさに見つめ、変化の波の中でも流されず、思考を止めることなく、今わたしたちが守るべきものは何かをみなさんと考えていきたいと思います。
【8月のオンライン学習会のお知らせ】
「急激に変わる食 ー ゲノム編集・細胞培養・合成生物学」
日時:2025年8月19日(火)午後8時〜9時30分
講師:印鑰(いんやく)智哉(OKシードプロジェクト事務局長)
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今年も夏のスーパー店頭には「土用の鰻」の文字が並んでいて、それを見た息子が「ぼくはウナギ、もう食べないって決めてるからね!」と言い出したんです。理由をきくと、「ウナギは絶滅危惧種だから食べちゃダメなんだよ」と。
実は、同じ理由からそもそも我が家は基本的にウナギを食べませんが、付き合いでたまに食べることもありました。息子はテレビ番組でウナギの絶滅の危機について知ったそうです。