2/10学習会報告 家庭菜園で「我が家のタネ」を育てよう

タネを守る

 2/10に行われた学習会『種から育てよう~有機のタネの採り方・育て方~』に参加された、tokotoko.10minutes_gardener(國本)様に報告記事を書いていただきましたので、ご紹介します。


【家庭菜園で「我が家のタネ」を育てよう】

 種蒔きの時期が来たらタネを買ってくるのが当たり前、野菜を育てるには先ず苗を買いにホームセンターへ行かなくちゃ、と思っている人が聞いたら驚くような、楽しい種取りのお話を林重孝さんから教えていただきました。

「タネは、自分で採種できる。」
その上、種取りは植物を育てるプロセスの中でも、「もの凄く面白い」


 簡単に増やせる初級の栄養繁殖から始まり、植物の品種のことを知って工夫する上級編種取りまで、step by stepで種取りの難易度の順にわかりやすい説明で野菜の特徴も知ることができました。

 スーパーや大手のお店に並ぶ野菜の多くは、農薬や化学肥料を使う生産に適した品種に変えられ、また、長時間の輸送流通・外食産業の加工の為に効率が良い姿形や性質で、食味よりも優先された品種が使われているということです。

 味の変化も甘みの強いものが好まれると開発されていると聞いて、何故なのかな?とちょっと興味が湧きました。

 さて、そんな種取り名人の林さんが、種子大切さに改めて大きな関心を持つきっかけになったのは、2004年に千葉県内のご自分の畑に近い場所で自生遺伝子組み換えナタネが発見された事件だったそうです。蜜蜂が運ぶ花粉による交雑範囲が直径で2kmくらいになることから、林さんが畑で育てて種取りをしていた菜種と交雑することを心配して、その年の自家採種を中止することにしたということです。

 菜種など多くの品種があるアブラナ科は、交雑しやすいという特徴を持つことがその理由です。私が住む熊本県には、特産の阿蘇高菜があります。他県にも有名なアブラナ科の品種がたくさんあります。よそ事ではないですね。

 地域で継承されてきた良い種を発掘しようと種苗交換会を始められた逸話も教えていただきました。リアルに種苗交換会でお会いできたら、きっと採種した数多くの種への思い溢れるお話が止まらないだろうと想像します。

 家庭菜園には、種や苗を自分で育てて収穫し、味わう嬉しさがあります。加えて、育て甲斐を感じる「我が家のタネ」を自家採種して、もっともっと楽しみましょう。
                                    
tokotoko.10minutes_gardener(國本)

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