地域の農業基盤を守るために 種苗関連2法案の慎重審議を求める要請文送付のお願い

種苗関連法

 今国会に種苗に関わる2法案が提出されています(重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案[新育苗法案]と種苗法の一部を改正する法律案[種苗法改正案])。この2法案はこれまでの日本のタネのあり方を大きく変え、地域を支えるタネを危うくする可能性があるとして、OKシードプロジェクトでは2026年4月21日に声明を発表しています。

 国会での審議入りが6月11日に衆議院農林水産委員会で開始されましたが、案の定、ゲノム編集種苗開発の推進が中心的に押し出されていました。しかし、果たして日本社会はゲノム編集食品を増やすことを望んでいるでしょうか? わたしたちの思いとは関係なく、審議が進んで、政策が進められることに強い危惧を抱きます。

 6月16日には衆議院農水委員会でこの法案が決議されて、17日の本会議で衆議院を通過することが想定されますが、まだ参議院での審議が残っています。少しでも、市民の声を反映した審議になるように、参議院の農林水産委員会に所属する議員に、あなたの声を届けてください。

 ひな形文章はこのページにもテキスト版を貼り付けますので、自由に編集していただいて結構です。文章はWord形式でダウンロードすることができます(要請書のひな形Word形式)。現在の参議院の農林水産委員会の連絡先は末尾に掲載します。

 またこの問題は地方自治の問題に関わってきます。みなさんの地域の地方議会(都道府県議会、市町村議会)にも関わってきますので、地方議会の議員のみなさんにもぜひお伝えください。

 どうぞよろしくお願いいたします。

地域の農業基盤を守るために 種苗関連2法案の慎重審議を求める緊急要請

 今後の日本の農業・食のあり方に大きな影響を与えるこの2法案は、下記のような懸念を抱えています。それゆえ慎重な審議をお願いいたします。

1.世界に類例のない育成者期間の延長と地域種苗会社の淘汰 種苗法改正法案では登録品種の育成者期間(独占期間)を10年延長して35年としています。世界の標準は15年から20年ですので、これは世界に類のない長さになります。過度な知財の独占権の強化は、既存品種を基盤とした地域の種苗会社による新たな品種開発の道を長期にわたり閉ざし、むしろイノベーションを妨げます。また新育苗法案の「重要品種育成事業」に、地域の種苗会社が参入するには大きな壁があります。長年地域の風土に合ったタネを提供してきた地元種苗企業が淘汰されれば、地域の農業・経済基盤は回復不能な打撃を受けてしまいかねません。

2.多国籍企業による育種データの流出と地方自治への介入の危険性 今後、日本の種苗データが農研機構の育種ビッグデータに蓄積され、新法に沿って、多国籍企業が参入すれば、日本の育種データが海外に流出してしまうことは防げなくなります。
 多国籍企業は自社の種苗の生産のために都道府県基本計画を作り、地方自治体に提案することも可能とされており、それが実現してしまえば、地方自治に多国籍企業が介入する手段をわざわざ提供してしまうことになってしまいます。多国籍企業の提案を拒否すれば地方自治体は訴訟の脅威にも曝されるでしょう。  この道を断つためにも新育苗法案第12条第7項などの削除などが必要です。

3.新ゲノム技術依存・AI育種への懸念 重要品種の育成においてはゲノム編集を軸とした迅速な品種開発が強調されていますが、この技術の実用性は疑わしく、世界で莫大な研究費がかけられていますが、いまだ実用化された品種はわずかに留まり、その安全性、必要性にも大きな疑問が投げかけられています。日本は従来の育種方法において世界でトップクラスの技術を持っているのに、新たな技術に拙速に依存してしまうことは将来的に大きな損失をもたらす可能性があります。

4.種苗には遺伝子操作有無の表示義務付けを 英国政府は2023年にゲノム編集を使った育種法について精密育種法を定め、安全審査をせずに、表示も必要としない流通を認めました。しかし、今年6月4日に英国高等法院は、この英国政府の決定が食品のトレーサビリティを不可能にして、特に有機農業の存続に大きな脅威を与える不正なものであるとする判決を出しました。
 一方、欧州議会では6月17日にゲノム編集生物の取扱規則を大幅に緩和した方針を決定しましたが、少なくともゲノム編集種苗には表示義務を課すことになりました。

 現在の日本では遺伝子操作に関しては一切の種苗の表示義務が存在しないため、このままでは今後の日本の食のトレーサビリティ、信頼が失われてしまいます。日本でも同様に種苗への遺伝子操作の有無の表示義務を確立すべきです。

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この問題に関する参考情報

政府側の資料

  1. 種苗法の一部を改正する法律案
  2. 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案
  3. その他、第221回国会にかけられる農業関連法案

OKシードプロジェクトからの資料

  1. OKシードプロジェクトの声明:種苗関連2法案の成立に反対し、種子の公共性と農民の権利の回復を求めます
  2. オンライン学習会:「日本のタネはどうなるの? 種苗法再改正と育苗新法」2026年5月11日 https://www.youtube.com/watch?v=30XfvGmQ0zw
  3. 要請書のひな形最新版(第3版)第2版第1版PDF版第1版Word形式
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