【情報共有】日本におけるカドミウム摂取量の経年変化について

重イオンビーム放射線育種について

2023年12月28日期限で、内閣食品安全委員会による「汚染物質評価書カドミウム第3版」に関するパブリックコメントが行われています。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095230980&Mode=0

この評価書(案)には、以下のように政府の見解が述べられています。

「一般の日本人における食品からのカドミウム摂取が健康に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた。」(11ページ、ページ番号は10)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000263587

そして、実際に日本におけるカドミウム摂取量は、年々低下傾向にあることが示されています(同77ページ)

もちろん、カドミウム摂取量を減らすことが重要であることは言うまでもなく、たとえ経過傾向にあるといえども、発がん性物質を摂取することは極力避ける必要があります。予防原則の見地からも、健康への影響が低いという見解には、少し疑問もある表現といわざるを得ないかもしれませんが、しかし、傾向としてカドミウム摂取量は下がっていて、今、カドミウム汚染が大変だという状況ではないという事実は重要だと思います。

今回の「コシヒカリ環1号」、「あきたこまちR」の導入がこの問題に対する対応策として出てきたという以上に、国際コーデックス委員会対策、コメの輸出が念頭にあることがここからもはっきり言えると思います。地域で大切に作られてきたあきたこまちが、輸出のために絶えてしまうことを、受け入れることはできません。そして、従来のあきたこまちを守りたいと願う農家や市民の声がなぜ封殺されなければならないのでしょうか。

農水省に確認したところ、「コーデックス委員会での基準値見直しの動きはない」とのことで、ここまで性急に、しかも全国的に進めなければならない客観的理由がわかりません。しかし、農水省は3割の都道府県での導入を目標に来年度も予算請求をしており、秋田県以外にも進める姿勢を変えていません。一方で、秋田県では毎年1億円以上、汚染米買い取りで予算を使っており、それを減らすということにおいては合理性があるのかもしれませんが(果たして「あきたこまちR」の導入が良策かという話とは別に)。

神通川流域以外のイタイイタイ病患者の認定をせず、カドミウム腎症にいたっては公害病認定すらせずに放置している国が、コメのカドミウム量だけを低くするために、重イオンビーム育種米を導入することは、政策としても一貫性がありません。

再告知になりますが、この度、「重イオンビーム放射線育種に関するOKシードプロジェクトの見解」をリリースしましたので、ぜひお読みください。

◆重イオンビーム放射線育種に関するOKシードプロジェクトの見解
https://okseed.jp/radiation/position.html

拡散も大歓迎です。
たくさんの方にお読みいただき、重イオンビーム放射線育種について今後も一緒に考えていただけたら幸いです。

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OKシードプロジェクト

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