日本政府はリージョナルフィッシュ株式会社のゲノム編集によって作られたマダイとトラフグ(2品種5系統)の届け出を公表しています。このゲノム編集魚は世界で唯一、日本だけで作られ、販売されているものとなっています(現在はオンライン販売やイベントでの販売・試食に限られています)。
しかし、その養殖は海外からは「拷問養殖である」として非難があがっている他、健康や環境に与える影響にも懸念が広がっています。
リージョナルフィッシュ社はこれらのゲノム編集魚の情報をわずかA4版で7〜8ページしか公開しておらず、その安全性(環境面・健康面)を確認した実験データは公表されておらず、実験そのものがされていないと考えられます。
また、このマダイとトラフグは現在、京都府宮津市の養殖場で養殖されていますが、その養殖場についてもほとんど情報が公開されていません。
このゲノム編集魚は国の支援の下、京都大学、近畿大学が開発されたもので、公的な資金を受けたものです。そして京都府はリージョナルフィッシュ社に4000万円を超える補助金を出し、宮津市はふるさと納税の返礼品としてリージョナルフィッシュ社のトラフグを採用しており、地方自治体がお墨付きをこのリージョナルフィッシュ社の事業に与えています。
さらにリージョナルフィッシュ社は日本貿易振興機構(JETRO)の援助を受けて、インドネシアのARUNA社と合弁でインドネシアにゲノム編集ティラピアなどの養殖事業を開始するとしていますが、インドネシア政府はいまだゲノム編集食品を認めていません。一国の政策が決まっていない段階で、その国では認められていない事業を日本の公的機関が認めてしまうということは、政策の押し付けをもたらしかねない重大な問題であると考えられます。
そこでOKシードプロジェクトの事務局長・印鑰智哉がこの問題について、報告書にまとめました。以下から、見ることができます。
また、2023年2月10日はこの問題に関するオンライン学習会を行いました。その内容は現在、YouTubeでご覧いただくことができます。